【1-9】7つの声、Ansatzアンザッツ
ドイツの声楽家、フースラーが提唱した発生理論。アンザッツ。
体の中のどこに響かせるか意識することで音色が変わるそうな。
①歯に響くよう意識する
②上顎、鼻に響くよう意識する
③喉と鼻の奥の繋がってるとこが響くよう意識する
④おでこが響くよう意識する
⑤頭のてっぺんが響くよう意識する
⑥背面、首の後ろあたりが響くよう意識する
⑦鎖骨から胸にかけてが響くよう意識する
【1-8】トレーニングの前に
どんなトレーニングもがむしゃらにやっても声率が悪い。そして間違った方法では喉を痛め、目標までの足止めとなるため、神経質になりすぎることはないが以下のことに気をつけたい。
①いきなり沢山練習しすぎないこと。
→ダイエットと一緒。いきなり痩せたり、歌が上手くなったりはしない。喉はナマモノで繊細であるため、痛くなるまでやるのはよろしくない。少しずつ練習時間を伸ばしていく方がベスト。
②ウォーミングアップとクールダウンを合わせて練習時間に組み込んでおく。
→やりがちなのがウォーミングアップとクールダウンを練習時間に組み込まず、毎回適当だったりやらないこと。そうではなく、毎日やる歯磨きやトイレのように、ライフワークに組み込んで、ウォーミングアップから歌の練習、クールダウンまで、短い時間でもいいので集中してやる癖をつけること。
毎日の体調や自分の声の出やすい時間帯、睡眠時間やメンタルのコンディション、食べ物の影響まで掴むことができるため、プロの歌い手としてはそこまでしておきたい。
③体を温めてから歌うこと。
→体がこわばっていてはいい声は響かない。ウォーミングアップだけで体が温まるのであれば良いが、体が芯まで温まった状態でなおかつ体力、集中力がキチッとある状態で取り組む歌の練習はとても捗る。(なのでウォーミングアップにジョギングやウォーキング、もしくはシャワーを入れてもいいかもしれない。)
④湿度と飲み物に気をつける。
→湿気のないところで歌うと、やはり喉を痛めやすい。埃っぽいところでもよろしくない。飲み物は喉の油をとるようなものはNG。お茶もよろしくない(大好きな烏龍茶はもってのほか)カロリーが高いけど、カラオケで長時間歌いたいときオススメなのはカルピス。あの喉に絡みつく乳酸菌の感じが、喉の粘膜を守ってくれるのか、乾燥しにくく喉が痛くなり難い気がする。(お茶飲むよりかは確実に良い)言うまでもなくアルコールは論外。
⑤客観的に聴くため録音する。
→自分自身が響いて鳴る歌のため、歌いながら客観的に聴くのは難しい。自分は自分の中で響いている音と、外から耳に入ってきた音を同時に聞いているため、必ず録音して外の声を客観的に聞く。
⑥毎日練習する
→ただ、ダラダラ練習するのではなく、きちっと目標とトレーニングメニューと結果を記録してPDCAサイクルで回していく。歌は陸上競技などと違い、数字で出るわけではないので、結果は録音した自分の声。ボーカルトレーニングは歌い方なのですぐできやすいが、ボイストレーニングは劇的にすぐに効果が出るわけではないので、両方合わせてゴールに近づくようメニューを作っていくと良い。
【1-7】歌詞としての言葉
音楽の授業では、歌詞が聞き取れるようにハッキリと発音することを指導される。
しかし、いろんなジャンルの音楽では歌詞が聞き取れないようにわざと崩すこともある。
日本語だけどサザンオールスターズの桑田佳祐のように英語のように発音するのが良しとする音楽もある。(どうやら決まった法則性があるらしい)
椎名林檎のように英語詞で歌っているけど歌詞カードには日本語の単語を並べていることもある。(輪廻ハイライト、個人的にJAZZYな雰囲気でとても好きです。)
B-DASHのようにひらがなで歌詞を並べている歌詞ではハッキリと発声することよりもノリが重視される音楽もある。
結局、音楽を伝えるために、キチッとした言葉の発声は絶対条件ではないが、ハッキリしたり、曖昧にしたりと自分のイメージ通りに発音できるようにトレーニングしておくことは、ボーカリストとしての幅を広げることになるので、メンタルのリラックスとともに、
顎、舌、唇を柔らかくしておくことが大切だ。
【1-6】歌が上手くなりたい
歌が上手い
とは
人によってその答えが違うが、多くは自分の歌をたくさんの人が好きだと言ってくれたり、たくさんの人の心が動かされる歌だったり、上手いと褒めてくれたり、カラオケで良い点数が取れるという認識だと思う。
ボイトレをするときに、自分のゴールを決めておかないと
見当違いなレッスンをしてしまい、思ってたんとちゃう!となってストレスがたまり、こわばって、よりゴールから遠のいてしまったと感じていたのが昔の私。
そもそも、現在地の自分を客観視できていなかったし、心の底から求めていた正しいゴールがわかっていなかった。
もちろん、そんなことは置いておいて、自分の心に素直に楽しいからやる。という感覚でいればよかったんだけど、どんどん欲は出て、アレもしたいコレもしたいと、
知らないうちにライブの集客に時間を割かれてしまうような結果になったりする。
リラックスして、自分の位置と、ゴールを決めておく。小さなところからでいい。それさえできればあとはやるだけなのだ。
でもやっぱり本当は、そんなことは理屈ではなく、心に素直に従って、やりたいことをしている方が、結果的に良い歌、良い歌が歌えそうだよなと思う。
コン詰めてやるのではなく、好奇心でボイトレをする、ぐらいの方が、伸びがいいのかもしれない。
【1-1-2】歌は自分の体が楽器
ギターやピアノ、バイオリンなど
どんな楽器も、美しい響き、美しい見た目、たくさんの人を感動させてきた歴史のある楽器には価値があり、値段も高価。
個人では所有ができず国が保有し貸し出しだったりして、大切に扱われる。
一方歌は、体が楽器。
あなたにしか響かせることができず、
あなたにしかメンテナンスをすることができない。
ギターのように、外から弦が錆びているとか、フレッドの角度が傾いているとか、サウンドホールが塞がれているとかを見ることができないし
木であるはずのボディーがプラスチックだったりしても
本人が気づかないと、変わらない。
赤ちゃんは自分の要求、感情を伝えるために泣く。コミュニケーションを取るために笑ったり泣いたりする。
私たち人間は自分の気持ちを伝えるために声帯がある。
自分の、目に見えない気持ちを、
相手に、よりダイレクトに伝えるために
言葉よりもっと相手に伝わるように
抑揚があり、
相手にも共鳴させるために、
響きがある。
のではないか。
自分自身が嘘をついていると、体がこわばって、肩がこったり、腰が痛くなったり。ストレスがたまっていると体が硬くなってくる。
だけど人間は、体をほぐしていると、繋がっている心がほぐれていく。
卵が先か鶏が先かではないけれど
ボーカリストは自分の体のことをだれよりも知って、アスリートのように自分の体を鍛えてほぐして、
いたわることが大切だと思う。
もちろん、心としっかり向き合って、自分を大切にしてあげることま大切だけど、音楽をやっている人は繊細な人が多い気がするので、
だからこそ、
なかなか言えないことを音楽にしたくなったりするんだと思うので
そこでモヤモヤ考え込むより、
頭を空っぽにして体を動かして、心がほぐれていくほうが
根本的な解決にはならないけど
気持ちは上を向いていくのではないか。
唯一無二。
生きた軌跡がすべて味となり魅力となる。人間性そのものが、個性となり歌となる。
まず芸術として、やりたいことをすべて吐き出して表現していく。
小難しいことを歌わなくて大丈夫。
空が晴れて気持ちいい。
お腹が空いている時のご飯が美味しい。
手を繋いだ感覚が心地よい。
自分の気持ちに素直に。
聞いてもらう誰かをいしきせずに、のびのびと表現してみる。
芸術としての自分の歌を確立したら
商用としてアレンジするのは、また別の能力で
それは技術で後付けでなんとでもなる。
まずは自分自身が、自分という人間の魅力を最大限引き出すアーティストとなって、まず、歌で表現し
そこから、大衆に伝えたいことがあれば自然と、聞き手に合わせたアレンジや作風になっていったりするんじゃないかな。。。
自分を理解する
自分を解放する
自分をいたわる
自分を楽しむ
突き詰めていると、どうしてもそれしか見えなくなっていって行き詰まってくる時が来る。
やっぱり、そんな時はリラックスしてないし、力が入って良い歌が歌えない。
逆に良い歌が歌えると、自身が出てきたりリラックスできてくる。
自分に合った方法で。
あなたのことはあなたが一番よく知っている。
たった1つの大切な楽器。